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令和4年度 入学式式辞

 春の暖かい空気に包まれ、明るい日差しにあふれ、まさに「陽春」と呼ぶにふさわしく桜花爛漫となりました。校庭の桜が皆さんのご入学を祝福するがごとくに、見事に咲き誇っております。

 この柔らかな春の日差しの下、令和4年度・近畿大学附属高等学校・中学校・入学式が挙行できますこと、心からありがたく 嬉しく思っております。本日は、ご来賓の皆さま方にはご多忙の中、ご臨席をたまわり心から感謝し厚く御礼を申しあげます。
 中学校、高等学校ともあの難関入試を見事に突破され、この近畿大学学園の門をくぐられた中学生303名、高校生1,034名の新入生の皆さん、ご入学、誠におめでとうございます。教職員一同皆さんのご入学を心待ちにしておりました。心から歓迎し、祝福いたします。
 保護者の皆さま方、本日は誠におめでとうございます。
 堂々と胸張り、眩しいばかりに輝いておられるお子さまの晴れ姿を目の当たりにされ、込み上げてくる感慨も一入かと存じます。誠におめでとうございます。心からお慶びを申しあげます。
 さて、新入生の皆さんが今日から学ぼうとするこの近畿大学学園は「未来志向の実学教育」と「人格の陶冶」を建学の精神とする全国有数規模の躍進目覚しい学園であります。
 本校における「実学教育」とは、単なる知識・技能の習得に留まるのではなく、実際の社会で役立つ人材育成を強く意識したものであります。教科の授業のみならず、様々な学校行事や体験学習も重視して、基礎的・基本的な「知識・技能」の習得は言うに及ばず、「思考力・判断力・表現力」、「何事にも主体的に取り組む態度、多様性を尊重する態度、周囲の人と協働する力」を身につけてほしいと思います。
 次に「人格の陶冶」とは、よりよい社会を構築するために、生涯を通じて人間性をより立派なものへと鍛錬して磨き上げることです。本校では「人に愛される人、信頼される人、尊敬される人になろう」を校訓とする教育目標を掲げ、日々の教育活動を行っております。お互いがお互いを認め合い、信頼し合い、尊敬し合う相互敬愛の精神、思いやりの心をもった人間を育てていく学園、学校であります。新入生の皆さんも今日からはこのことを心の中心で意識して学校生活を送ってください。
 中学生になった皆さん、真新しい制服に身を包み、胸張ったその姿は とても小学校出たてとは思えません。呼び名も今日からは「児童」ではなく「生徒」となります。生徒には「学ぶ者」という意味があります。凛々しく、その真剣な眼差しに「よし、やるぞ・頑張るぞ」との覚悟が見えております。
高校生の皆さん、さすがに見るからに「精悍」にして堂々と頼もしく立派であります。将来をも見つめようとする「気概」に満ち、気迫がここまで伝わってきます。
 そんな中学生・高校生となった皆さんに次の言葉を贈ります。それは「日々の発見の手帳をつくれ」という言葉です。ちいさな発見、かすかなひらめきも逃がさないで、きちんと文字にするというものです。これを続けると、今まで気にも留めなかった多くの問題に注意をはらうようになり、観察を正確にし、思考を精密にし、多角的なものの見方・考え方ができるようになります。すなわち知的備蓄に繋がるということです。今、正に求められている「多様な考えを理解したり、集団としての考えを形成したり、考えを基に意味や価値を創造していく」ためには非常に有用な方法と考えます。実は、この「発見の手帳」については、国立民族学博物館館長を務められた梅棹忠夫先生が、1969年(昭和44年)、今から50年以上も前に出版された『知的生産の技術』という書籍の中で既に述べられていることです。
最近では、テレビ等に出演されている齋藤孝先生が「思考を鍛える鬼のメモ力」を提唱されています。例えば、本を読む際に、重要な箇所や興味・関心をもった箇所に線を引くことがありますが、さらに「自分ならこうする・自分ならこう思う。ここはどうなんだろうという疑問」をメモすることにより、そのメモから新しい発想や考えが創造されると述べられています。
 さらに、大阪公立大学のハナムラチカヒロ先生は、「情報化社会が進むほど、私たちは自分の見たいものだけを見る。自分の先入観や色眼鏡でものを見て、それ以外の価値観や視点があることを認められなくなっている。誰もが不寛容になると社会に大きな分断が生まれる。私たちが最も見えていないのは、自分の見方である。自分は間違っていないという思い込み、すなわちそういう盲点に一旦気付くと、今まで見えていなかったことが急に違って見えてくる。」と述べられています。
 中学校・高等学校あわせて1,337名の新入生の皆さん、今日からの3年間・6年間の学校生活は人生の土台を築くと同時に、将来を左右する大切な時期であると言っても過言ではありません。君たちは、自分では気付いていない、さまざまな素質・能力・可能性をもっています。本日より始まる本校での生活において、どうか物事を捉える自分の心のフィルターを細かく設定し、何事にも知的好奇心をもって取り組み、自分の狭い解釈を超え、多角的にものを見て、考えることを大事にしてください。そのような目で心で、クラス全体・学年全体・学校全体・日本を・世界を眺めるようにしてください。そして、自分で自分自身の素質・能力・可能性に気付き、様々な課題に対して、社会に役立つことは何かを多角的に考えて実践してください。
 後になりましたが、保護者の皆さまに一言ご挨拶を申しあげます。数ある学校の中からかけがえのないお子様の教育の場として近畿大学・学園を、本校をお選びいただきましたことに心からの感謝と敬意を表します。お子様は保護者の皆様からお預かりさせていただいておりますと同時に、グローバル化した社会からもお預かりさせていただいております。教職員一同このことを日々強く意識し、一丸となって教育に携わってまいります。近畿大学学園という全国有数規模の大きな学園がお預かりさせていただくわけであります。大きな学園、学校には大きな教育力がございます。どうかご信頼いただきますようよろしくお願いいたします。
 以上、入学式の節目にあたり、式辞といたします。
 ご入学、誠におめでとうございます。

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