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近畿大学理工学部実験実習「夢サイエンス」を実施しました

8月28日(水)3年生の希望者生徒を対象に、「近畿大学理工学部実験実習『夢サイエンス』」を実施しました。物理学系、化学系、生物系、エネルギー系に分かれて、以下のような実験実習を受けました。大学の先生や大学生に手厚く教えてもらいながら、実験を行いました。大学の施設ということで緊張もしましたが、楽しく実験を行い、大学での学びがより一層楽しみになりました。

 物理学系
 テーマ 1:放射線を見よう
ドライアイスを用いた拡散霧箱を作成して放射線(α線)の飛跡を観測し、飛跡が見える原理を考えました。
 テーマ 2:低温の不思議
水は温度が低くなると氷に温度が高くなると水蒸気に変化するように、温度が変化すると物質の性質も変化します。日常生活では体験できないほどの低い温度(低温)になったときに、物質はどのように変化するかを観測しました。

化学系 
 テーマ 3:化学反応を見てみよう
化学反応の中では、分子や原子がつながったり、切れたり、あるいは電子を受け取ったり、放り出したりして物質の構造が変化しています。分子や原子は、非常に小さいので目で見ることはできませんが、色の変化を観察することによって反応の進み方を直接理解することができます。実験では、なぜ溶液の色の変化が起こったのかについて説明を受けました。
 テーマ 4:電池をつくってみよう
わたしたちの身の回りにはたくさんの電池があります。充電や放電という言葉を聞いたことがあるでしょう。そんな電池の内部で起こっているのは化学反応です。様々な物質を使って電池を作りました。どんな組み合わせにすれば電池は動くのか、あるいは動かないのか、そしてその違いは何に由来するのか、一緒に考えました。
 テーマ 5:繰り返し使えるカイロを作ろう! 
純粋な物質はそれぞれ固有の融点や沸点をもちます。液体の温度を凝固点(融点)よりも下げると固体に変化しますが、とてもゆっくり冷やすと凝固点以下になっても液体が固体に変化しないで液体のままでいる場合があります。この状態を過冷却状態と呼びます。しかし、衝撃を与えたり同じ物質の固体を少しだけ加えたりすると、それがきっかけとなり急激に液体から固体に変化する現象が起きます。酢酸ナトリウムの過冷却液体は、衝撃や種結晶を加えることで固体に変化し、その際に凝固熱に相当する熱を放出します。このことを利用して、使い捨てではない、繰り返し使うことができるカイロをつくりました。
 テーマ 6:水って大事!!水を知ろう
最も身近に存在する化学物質「水」に関わる実験を行いました。水にどんな物質が溶けているのかは水を見ただけではわかりません。それを知るための様々な分析法があります。その中で、溶けているイオンの種類(定性分析)とその濃度(定量分析)が簡単にわかる「比色法」を用いながら、この実験では、「ミネラルウォーター」と「河川の水」を分析しました。

生物系 
 テーマ 7:動物細胞をみてみよう
細胞は生命の基本単位として広く認識されています。ヒトの場合は約37兆個の細胞から作られていると言われています。細胞を取り巻く環境が変わるとその働きや形が変化し、場合によっては死に至ります。この実験では、細胞を取り巻く環境を変化させた時の細胞の状態を観察し、細胞の構造について考えました。
 テーマ 8:ゲノムをみてみよう
ゲノムとは、生物が有するすべての遺伝情報を指すものです。ゲノムを構成する物質はDNA(デオキシリボ核酸)で、遺伝子の情報からタンパク質を合成し、生物の細胞や組織を形成するための要素を作り出します。ゲノムは細胞の核に存在しており、これを選択的に抽出することが可能です。今回は、バナナ、ブロッコリー、玉ねぎからゲノムを抽出し、実際にゲノムを観察しました。

エネルギー系 
 テーマ 9:光と電気とエネルギー
太陽電池は、持続可能な社会のためのクリーンなエネルギー供給源として注目されています。今回の実験では、LEDと太陽電池を用いて光エネルギーと電気エネルギーの変換過程を学びました。光と電気のエネルギー変換メカニズムを体験を通じてこれからのエネルギー技術について考えました。
 テーマ10:植物が光合成で利用する光を見る
植物が光合成を行うためには、最初に光を捕まえる必要があります。この体験実験では、光を捕獲するために必要となる色素を植物から抽出し、それらに紫外線ライトを当てることで出てくる蛍光を観測することで、我々が色づいて見える(可視)光とは何か、光合成で利用される光とは何かを一緒に考えました。

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