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5月全校朝礼 学校長講話「リフレーミング」

 おはようございます。新学期がスタートしておよそ1か月になりますが、新入生の皆さんも少しずつ新しい学校生活に慣れてきた頃だと思っています。今年度もコロナ禍のために学校行事やクラブ活動等に様々な影響が出ています。皆さんには窮屈な学校生活になっていることを申し訳なく思っていますが、何とか力を合わせてコロナ禍を乗り越えたく思っています。

 今日は「リフレーミング」についてお話しします。皆さんにはあまり聞き慣れない言葉かも知れませんが、心理学や自己啓発の研修等において注目されている言葉です。

 私たちはすべての物事をその人独自の視点で見ています。この物事を見る視点のことをフレーム(枠組み)と呼びます。そしてこのフレームを換えることが「リフレーミング」になります。つまりリフレーミングとは、物事を今のフレームをはずして異なるフレームで見ることになります。

 同じ物事でも人によって見方や感じ方は異なり、ある角度で見れば長所になり、捉え方(見方)を変えれば短所にもなります。リフレーミングをおこなうことで、同じ物事や内容であっても受け止め方や感じ方も変わってくるそうです。

 例えば、試験で残り時間が10分あった場合、悲観的にとらえれば「もう10分しかない」と、また楽観的にとらえた場合は「まだ10分もある」と思えることになります。つまりリフレーミングとは、ある出来事や物事を今の見方とは違った見方をすることで、それらの意味を変化させて自分の気分や感情を変えることになります。

それは「今までの考えとは違った角度からアプローチし、視点や解釈を変えながら、自分の持っている潜在的な能力を引き出し、生き方をポジティブなものにしていくこと」と説明されています。

 「失敗した」ときに「自分はダメだ」と感じると気持ちが沈んでしまいますが、見方を変えて「次のために良い経験をした」と受け止めれば、前向きな気持ちになり次の行動がしやすくなることから、心理療法等にも活用されているそうです。リフレーミングを行うと物事に対する解釈が変わります。そうすることで気持ちが軽くなり、それまでは気づかなかった自分の可能性を引き出すことにもつながります。

 例えばレストランや買い物に行ったときに、なかなかメニューや買う服を決められずにあれこれ迷ってしまう人が、「優柔不断だな」などと言われると少し嫌な気分になるかも知れません。しかし見方を換えると「自分の気持ちに正直だから、納得のいくものを慎重に選んでいる」とも解釈できます。すると自分の性格に自信を持つことができます。

 私たちの目の前では毎日色々なことが起きていますが、その出来事に意味を与えているのは、実は自分自身なのです。そしてどのような意味を与えるかによって、前向きな気持ちですぐに行動できるか、落ち込んでしまい嫌な気分を味わってしまうかが決まってしまいます。

 私たちが出会う出来事には、本来は良いも悪いもありません。それに対して私たちがどう見るかで、良いか悪いかを決めていることが多くあります。リフレーミングは、自分の意志で選択、行動でき、そして自分に自信を持つことも役に立つそうです。

 私たちには、短所の数だけ長所があると考えることもできます。つまりそう受け止めることで、自分たちの可能性をもっと広げられるように思います。そしてリフレーミングを周りの人たちへもあてはめれば、お互いの個性や違いを認め合い、もっと多様性の力を活用できることにもなります。

 皆さん一人ひとりが、それぞれの世界をもっと大きく広げて、色々な人とつながり楽しんでくれることを大いに期待しています。