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11月朝礼 学校長講話「小さなとげ」

 「バラのとげの痛みは、指に刺さった者にしか分からない」という言葉があります。 バラのとげは、ほんの小さなとげですが、その傷みはとても鋭いものです。傍から見ていると、そんな小さなとげぐらいと思ってしまうことがあります。

 小さなとげがあるのは、花だけではありません。何気ない言葉や行動の中にも潜んでいます。ふざけたり、冗談のつもりの中で、誰かが傷ついている時に「それぐらいのことで大げさだなあ」と思ったことはないでしょうか。

 とげの刺さった痛みは、本人にしか分かりません。たとえ他人からは、取るに足らないものに思えても、大きなダメージを受けていることもあるはずです。指に刺さるとげとは違い、心に刺さるとげは人それぞれ違います、自分は何も感じなくても、他の誰かに深く刺さる可能性もあるのです。

 今日は人権週間についてお話をします。人権週間は、毎年12/4~12/10の1週間になり、その最終日である12/10が、「人権デー」と定められています。日本で人権週間が定められたきっかけは、1948年に開かれた国際連合の第3回総会です。その総会で世界の自由、正義及び平和を守るため、すべての人民とすべての国が達成すべき共通の基準として、世界人権宣言が採択されたことに由来します。

 人権とは、一人ひとりが生まれた時から持っている「自分らしく生きる」権利のことです。一人ひとりは、みんな違うように、全部同じ人などは誰もいません。人権週間とは、一人ひとりの違いを個性として認め合い、それぞれの良さをうまく生かすことで、 お互いがかけがえのない大切な存在であることを改めて理解する期間となります。

 21世紀は「人権の世紀」とも言われています。そしてそれは国内の止まることなく、世界基準としても必要な意識となります。世界には色々な文化、言語、様々な暮らしがあります。その違いの中で生きている人たちは、みんな、それぞれ、同じ「ひとりの人間」として、人権を持っているということです。

 これから私たちが生きるグローバルな社会では、多様な人たちと協力し合いながら色々な活躍をできることが重要になり、そのためにはお互いの人権をしっかりと理解して、認め合うことを実践できる力が必要になります。毎日の学校生活、普段の生活の中で、自分自身の人権意識の高め、そして周りの人達をも、巻き込む力を発揮してくれることを大いに期待しています。