News

News

10月朝礼 学校長講話「行儀」

 今日は、大阪市にある鞄メーカー、キャロットカンパニーの創業者である吉田剛さんの言葉を紹介します。キャロットカンパニーのバッグのブランド名は、anelloです。 anelloとは、イタリア語で「年輪」の意味で、「時間をかけて、幹を太くする年輪のように、長く愛されるブランドになるように」との願いが込められているそうです。

 2014年に発売された「口金リュック」は、ファスナーで大きく開くワイヤ入りの女性用ポーチにヒントを得て、開発されたそうです。それまではドクターバッグと呼ばれる手提げ鞄に、良くあるデザインだったそうですが、リュックには初めて採用され、 大きく開いて、中身が取り出しやすいバッグとして人気があり、現在はアジアを中心に海外にも広がっているそうです。

 吉田さんは会社の中で、「行儀に注意するように」と、色々な折に社員たちへ声を掛けているそうです。ここでいう行儀とは、挨拶をきちんとする、落ちているゴミを見過ごさずに拾う、洗面所をきれいに使うといったことなど、日々のちょっとした心遣いのことだそうです。

「行儀よくしなさい」と、小さい頃に言われたことのある人は多いはずです。大切な言葉として、心に残っているはずですが、大きくなると、つい忘れがちになる言葉でもあります。吉田さんは「それができなかったら、使いやすい鞄など作れず、お客様にもちゃんと対応できません」と社会人としての基本であると、重ねて話されるそうです。

 行儀とは、社会生活の基本であり、人としての行動規範となります。周囲への礼儀、人や物への思いやりの心であり、そしてその人の人柄にも、大きく繋がります。人柄とは、その人固有の人間性のことをいい、建物に例えるなら、土台のようなものになります。弱い土台の上に、頑丈な建物を建てることはできません。

 同じように、良き人柄がなければ、周りの人から信用されて色々な仕事を完成したり、チームの中でその役割を担うことはできません。また、土台のしっかりとした建物が、雨や風に強いように、良き人柄の人は、色々な困難やトラブルに遭遇しても、周りの人の協力や時には援助で、その問題を乗り越えることができるようです。

 そして人柄は、日々の生活の中でつくられます。笑顔で挨拶する、決めたことをきちんと守る、人に親切にする、感謝を伝える、そうした行動の積み重ねが、その人の土台となっていきます。日常の出来事一つ一つが、自分の人柄をつくりあげる取り組みとなり、質の高い人柄を創り上げるためには、毎日の生活に、丁寧に誠実に向き合うことが大切になります。

 自分の土台は、日々の考え方とその振る舞いの積み重ねで築かれていくこと忘れずに、本校生としての生活の中でしっかりと創り上げてくれることを期待しています。