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2学期終業式校長講話「自主性と主体性」

 おはようございます。年末になり寒さも一層厳しくなりました。今年も後10日ばかり、センター試験までも後1ヶ月足らずになりました。今学期も色々な学校行事もありましたが、皆さんの日頃の行いの良さから天候にも恵まれ、充実した学校生活を過ごせたように思っています。

最近、よく耳にする言葉に「学力の3要素」があります。これからの社会で自立的に活動していくためには、「学力の3要素」をバランスよく身につけることが必要だと言われています。

 「学力の3要素」とは、①知識・技能の確実な習得、②それらを基にした思考力、判断力、表現力、③主体性を持って、多様な人々と協働して学ぶ態度と説明されています。 今日はその中でよく使われている「主体性」ということについて少しお話をします。

 「主体性」とよく似た言葉として「自主性」という言葉があります。自主性とは、自分の判断で率先して行動する態度や性質で、他人から言われたり、指示・命令されて初めて行動するのではなく、自ら行動する人が自主性のある人となります。主体性とは、自分の意志・判断で行動しようとする態度や性質になり、自分の考えと判断で責任を持って取り組める人は、主体性のある人となります。

 ではその違いは何でしょうか。例えば「初対面の人に挨拶をする」「こういう事態が発生した場合はこのように対処する」ということを率先して人より早く行うことが自主性となります。自主性を持つ人は、自分のすべきことを明確にしています。それは同時にその人のすべきことが、あらかじめ明確にされていることを意味します。それに対して「最も優先すべきことは何か?」が、明確でない場合でも自分の考えと判断で責任を持って行動できる人が主体性のある人となります。

 つまりその違いは、すべきことが明確な場合に、それを率先して行うスキルが自主性となり、すべきことが明確でない場合に、それを明確にしながら率先して行うスキルが主体性となります。

 主体性を持つ人は、自分のすべきことを明確にしているだけでなく、解決策や対応が決まっていない場合にも率先して行動を起こすことができ、周囲の仲間のフォローを活用しながらチームとして協働できる力を発揮できます。二つのスキルを難易度で表すと、主体性>自主性となります。

 日頃の自分の行動を思い浮かべてください。例えば決められていることを率先してできていない人は自主性が不足していることになります。自分がすべきことを忘れずにしっかりと実行するためには、自分のスケジュールの管理や責任感を持つことや報告・連絡・相談の徹底等が重要になります。

 決められたことや指示されたことはちゃんと実行できるが、わからないことや不安なことに関して行動できない人は、主体性が不足していることになります。その人は自分が率先している行動の必要性やその意味をもう一度考えてみることが大切であり、自分で未知の物事を解決するためのlogical thinking (論理的思考)や今の状態を批判的に見るcritical thinking (批判的思考)が重要になります。

 自主性がなければ、主体性も身につかないと言われます。まずはすべきことが明確であることに率先して取り組む習慣を身につけてほしいと思っています。この年末年始、そして新しい年に向けて、自分の目標に力一杯挑戦する皆さんの頑張りに大いに期待しています。