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平成31年度1学期始業式 学校長講話

 おはようございます。いよいよ今日から新年度が始まりました。是非今年度の自分の目標をしっかりと持って一年間を過ごして欲しいと思っています。

 今日は始業式に際して「初頭効果」と呼ばれる心理効果についてお話をします。ポーランドで生まれ、アメリカで活動した心理学者のソロモン・アッシュが提唱しました。

アッシュは実験心理学の開拓者であり、人は誰でも自分の意志とは関係なく多数派の意見に同調してしまう。つまり人は誰でも同調圧力に屈してしまうことを証明した「同調実験」がよく知られています。これについてはまた別の機会に紹介できればと思っています。

今日は「初頭効果」について紹介します新入社員研修や企業セミナー等でよく引用されるそうです。「初頭効果」とは、物事の一番最初が記憶に残りやすいまたはインパクトを受けやすいというものです。

最初に受けた印象が、その後の評価に影響するという第一印象の重要性を説くものです。人には相手の評価を第一印象で感じたイメージで決めてしまう心理があり、初対面の最初の数秒間での印象が、そのまま記憶に残されていくという心理効果だそうです。

 つまり初めて顔を合わせた時に、お互いの印象のほとんどは、その場で決まってしまうことになるようです。始めに「信頼できる人だな」と思って貰えれば、その後順調に関係を築くことができますが、そうでなければお互いを理解するにはかなり時間がかかるそうです。

 では最初の印象を決定づけるものは、何でしょうか。身だしなみや礼儀作法、言葉遣いなど注意すべきことはたくさんあります。なかでも重要なのが挨拶だそうです。初めて会った時の挨拶は、とても印象深いものです。

例え身だしなみがきちんとしていても、挨拶ができなければ良い印象は残せません。良い印象を与える挨拶のポイントは、明るく元気に笑顔で。そして効果が一番大きいポイントは「自分から」だそうです。初対面の人とはうまく話せない苦手だという人も、例えば「おはようございます」「宜しくお願いします」という一言なら言えるはずです。

そしてこれは学校でも職場でも、人と接する全ての社会生活で通用します。この「初頭効果」を理解して上手く活用できれば、人間関係のスタートがスムーズになるそうです。

 この「初頭効果」と正反対の「親近効果」というものがあります。これは物事の最後に起こったことが記憶に残るという現象です。そのことから「終末効果」とも呼ばれます。「終わり良ければ全てよし」という言葉がありますが、映画やドラマなどにハッピーエンドの物語が多いのは、この「親近効果」に由来しているそうです。

 人と人との出会いは、まず「初頭効果」、そして関係が構築されていくなかでは「親近効果」へ移行していくようです。

 春は出会いの季節です。新しい先生や友達との出会い、たくさんの人や将来の仲間と出会うことで、未知の世界や自分の将来への新しい扉が開くことがあります。皆さんがこれから生きる世界では、異なる考え方を持つ多様な人々としっかりとコミュニケーションができ、そしてチームとして課題に取り組む力が求められます。

 新年度のスタートに際して、爽やかな挨拶で良い人間関係を築き、笑顔を忘れずに、自分の目標に向けて日々の学習や学校生活を楽しんで欲しいと思います。そして一年間を振り返った時に、他の人との比較ではなく、今の自分と比べての成長を実感してくれることを期待しています。