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1学期始業式校長講話「本気でやってみよう」

 おはようございます。いよいよ今日から新年度が始まりました。是非、今年度の自分の目標をしっかりと持って一年間を過ごして欲しいと思っています。今日は、始業式に際して「本気でやってみよう」というタイトルのお話を紹介します。

 その国にはいくつかの村があり、それぞれの村人たちが村を行き来しながら暮らしていました。ある村の入り口には門番がいて、他の村から来た旅人は必ずそこを通らなければならない決まりがありました。旅人が「ここはどんな村ですか」と尋ねました。すると門番は、「そうですねぇ、あなたが今までいた村はどんな村でしたか。」と聞き返します。旅人が「私の村は、ひどい村でした」と答えました。すると門番は、「ここもたぶん同じような村だと思うよ」と答えました。また別の旅人が、「ここはどんな所ですか」と聞きます。門番は「そうですねぇ、あなたが今までいた所は、どんな所でしたか」と聞き返します。するとその旅人は「私がいた所は、とても素敵な所でしたよ」と答えました。門番は「ここもたぶん同じような所だと思うよ」と答えました。

 たったこれだけの話です。そしてこの話からそれぞれが何を考えるかということが問われることになります。どんな村にしてしまうか、どんな所になるか。それは過去と未来をどう繋ぐのかということであり、その節目が今(現在)となる。それは仕事や人生も同じこと。自分が何を目的とし、自分はどうありたいか。それなら周りや他人のせいにしないで、自分が本気になって楽しくやろうじゃないか。

 「想像は、『自分が欲する未来』を生み出す力を持っている」という言葉があります。自分がはっきりとした未来を想像すればする程、やる気が引き起こされることが、心理学の研究で証明されているそうです。例えば「英会話が上達して、海外の人と直接話しができた」という未来を想像することで、目標に向かうモチベーションがより強いものになるそうです。一方、未来の自分がうまくイメージできないときは、設定した目標が間違っている可能性があるとも言われます。その時は目標や未来を再設定することが大切だそうです。

フランスに「アラン」というペンネームで知られている哲学者がいました。評論家としても活動し、1925年に発表された「幸福論」は今も多くの愛読者を持つと言われています。彼の有名な言葉に「幸福な人は、幸福だから笑っているわけではない。笑っているから幸福になれるのだ」とあります。自分が幸せになるために必要なことは、誰かによって与えられるものではありません。自分が笑顔になることで今ある幸せに気づくことが大切です。毎日の不満に押しつぶされて笑顔を忘れてしまうと誰も集まりません。人は、笑顔の人に集まります。幸せな気持ち、笑顔は、自分で作るものだということです。

 最後にもう一つ、アランの言葉を紹介します。「我々の社会は、求めようとしない者には何ひとつ与えない」

 新年度のスタートに際して、新しいこと、知らないことへの好奇心をたくさん持って下さい。未知の世界を知ることで自分の将来への新しい扉が開くことがあります。次は何に挑戦しようかとワクワクしながら、そして笑顔を忘れずに、自分の目標に向けて日々の学習や学校生活をうまくスタートしてほしいと思います。この1年間を振り返ったときに、他の人との比較ではなく、今の自分と比べての成長を実感してくれることを期待しています。