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平成30年度 二学期始業式 校長訓話「どうすればできるか」

 今日はcommitmentという言葉についてお話します。人は何かをやろうとする時には、まず自分がやろうとすることを宣言します。宣言することでその言葉をより責任を持つものにします。commitmentとは、語源的にはラテン語の「一つに組み合わせる・委ねる」という意味であり、人に任せる「委託・委任」という意味になります。委託は約束によって生まれることから自分に任せられた責任の大きな約束となり、責任・公約という意味でも使われます。

commitは「約束する」という動詞になりますが、企業では、commitの最上級の表現としてfull-commitという言葉が使われる時があるそうです。特に重要な契約や案件、計画などに関与する場合などには「full-commitします」などと宣言し、会社内外に強い意志や決意を示すそうです。また「top-commitment」という言葉もあり、企業のビジョンや環境問題への取り組みなどを含んだ表明を意味します。多くの企業のHPなどで表示されています。

「約束は必ず守ること」を大切にしている人は多いものです。相手が誰であっても、「約束した限りはきちんと守ること」を実行している人も多いと思います。しかし、それが自分との約束だった場合はどうでしょうか。

例えば「今日はここまでは頑張らなくては」と計画を立てながら、結局、守れなかった経験は日頃の生活の中で有りがちなものです。他人との約束とは違い自分との約束は、意外と簡単に破ってしまうという経験がある人が多いのも現実です。

 自分で決めた自分との約束を守れないことは、約束を守らない人が信用されないのと同じように自分自身を信じられなくなり、目標を決めても、どうせ自分にはできない、守れないだろうという気持ちが生まれ、少しでも辛いことがあるとすぐに逃げ出すようになるそうです。

 心理学においては、自分にcommitmentすることで目標を達成し易くなる効果が生まれると言われています。実は、人は自分自身の発言に対して、一貫性を持たせるように行動したいという心理を誰もが無意識に持っているそうです。

 そのため一度commitmentしたものは、たとえ困難な状況に陥っても破棄できないという気持ちが生まれ、自分を追い込みながら頑張れる効果が生まれるそうです。 自分とのcommitmentを守り続けることで「決めたことは必ずできる」という自信が生まれ、その小さな約束の積み重ねが大きな結果へと繋がります。
 最後にグーグル創業者の一人であるラリー・ペイジ氏の言葉を紹介します。ネットでも配信されている母校であるミシガン大学の卒業式での来賓スピーチからの引用です。

「そんな馬鹿なことはできないと誰もが思うことならば、競争相手はほとんどいない」「大きなことをするほうが、小さなことをするより容易だ。より多くの人が助けをくれ、必要な資源がより多く手に入る」「批判されるアイデアにこそチャンスがあり、どのような思いつきでも挑戦してみるまでは、結果はわからないものだ」

 最初から「できない」と決めつけずに、発想の幅を広げ、「できること」だけを選ぶのではなく、柔軟な思考で「どうすればできるか」を考えることが大切です。そして最も重要なことは、できない言い訳を考えるよりも、どうすればできるか、その方法を求め続けることであり、そのためにはやると決めた自分を裏切らないことです。

 2学期のスタートに際して、それぞれが自分の目標を実現するために自分へのcommitmentを掲げ、全員が取り組んでくれることを大いに期待しています。 

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