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平成29年度 三学期始業式 校長訓話「自分の幸福」

 明けましておめでとうございます。きっと全員が心新たに新しい年を迎えてくれたことだと思っています。今年2018年は戌年です。もう少し詳しく、十干十二支では、戊戌(つちのえ/いぬ、ぼじゅつ)となります。戊戌は、前向きに努力を重ねることができるかどうかで、成長するか、枯れてしまうか、分かれ、その中間がなく、大きく運気が変わる年になることが多いそうです。皆さんには、是非、大きな飛躍のチャンスがある年として受け止め、楽しみにして欲しいと思います。

 植物学者で東京大学大学院教授でもある塚家裕一さんの著書に「スキマの植物図鑑」があります。これは、アスファルトの割れ目や電柱の根元などの隙間に生える植物を写真と伴に紹介したものです。

私たちはアスファルトに咲く小さな花などを見ると、「狭くて可哀想」「懸命に頑張っている」「根性があるなあ」などと思いがちです。一見、か弱い外見でありながら、堅いコンクリートやアスファルトにも負けずに根を下ろす植物のパワーには目を見張らせるものがあります。

 広々とした場所で生えれば良いのに、なんでわざわざそんなせせこましいスキマを、住処に選ぶのかと思いますが、そのスキマこそ植物にとって居心地の良い幸福な場所で楽園なのだそうです。

広々とした場所には他の植物も生えていて、互いに光を求めて背を高く伸ばす競争が必要です。スキマや割れ目などなら他の植物が入り込む余地がなく、日差しなどを独り占めでき、アスファルトにより水の蒸発が押さえられたり雨水が割れ目に流れ込んだりして、

水も独り占めできる天国なような環境になるそうです。

 人間から見ると「居心地が悪い」と思われていた場所が、植物にとっては「居心地の良い」ものだったのです。既成概念で考える居心地の良さを求めるのではなく、新しい視点で居心地の良さを見つけることが大切なのかも知れません。

 以前、耳にした企業が生き残るための「ブルー・オーシャン戦略」というマーケティング用語を思い出しました。企業が生き残るために既存の商品やサービスを改良することで、激しい競争「血みどろの争い」を繰り広げる市場を赤い海に例えてレッドオーシャンと呼び、それに対して競争のない未開拓市場を青い海、ブルーオーシャンと名付け、競争のない新しい価値市場を創造する戦略だそうです。

 高品質と低価格の両立に加え、フリースやヒートテック等の高付加価値機能衣料のユニクロ、家具は一生ものという常識を覆し、組み立て式のモダンなデザインの家具とスピーディな納品システムのIKEA、サーカスの概念を変えたシルク・ドゥ・ソレイユや10分1000円のカット店、QBハウスなどが、ブルーオーシャン戦略の実例になるそうです

 私たちは心のどこかで、他人からどう見られているのか、どう思われているのか。他人の物差しや世間の基準で自分の幸福を考えていることがあります。それは無意識のうちに、今までの固定観念や既成概念にとらわれているのかも知れません。自分にとって本当の価値、新しい価値を見つけるためには、自分の物差しを持つことが必要です。

 そのためには、なりたい自分へ近づくために自分との約束であるコミットメントを作り、

自分を裏切らない取り組みを続けることが大切です。自分らしい居心地の良さを探すことを今年の目標の一つにしてくれることを期待しています。

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